読んでくださる人もいるので、一応書いておきます。
多くの人が知ってるとは思いますが、2019年にウルル/エアーズロックは登頂できなくなりました。
多くの人が知ってるとは思いますが、2019年にウルル/エアーズロックは登頂できなくなりました。
この記録は1987年のものです。アボリジニの聖地である、この地で無邪気に何の考えもなしに登った記録です。それでも、私の貴重な経験であり、旅の記憶となっています。
登れないとしても素晴らしい場所であることに変わりなく、次に訪れたときにはその周りをゆっくりと自分の足で歩いてみたいと思っています。
登れないとしても素晴らしい場所であることに変わりなく、次に訪れたときにはその周りをゆっくりと自分の足で歩いてみたいと思っています。
それでは、この時の思い出をたどってみます。
朝6時に起きて軽くシャワーを浴び、朝食を食べていると「晴れて良かったね」と言いながらジョーンがやってきた。登頂には消極的だった彼女に「ここまで来たんだから登ったほうがいいよ」と勧めた手前、僕がサポートして、なんとしても一緒に登るつもりだった。
登頂が始まるまで、みんな興奮していたのか、多くの人(30人くらいだろうか)に話しかけられた。イギリスの女性と一緒だったので英語が通じる日本人と思われたのか、それはもうあまりに気軽なので面白かった。みんな本当に楽しそうで、つられて僕までハイになっていた。短時間にこんなに多くの人と話したのは初めてだった。
不安げだったジョーンは元気で楽しそうに登り始めた。冗談さえ言い笑いながら登っていた。

だが、元気だったジョーンが鎖場の終わり近くなって登れないかもと言い出した。
励ますだけじゃ難しいかなと感じたので、彼女の荷物を持ってあげることにした。そうしたら、ほんのちょっと身軽になって彼女は少し元気になったので、すかさず、「鎖場が終わったら、急な登りはないから、もう簡単だよ(確信はなかったけれど)」、「もう少しだからここで諦めたらもったいないよ」とか言って頑張ってもらった。途中から日本人女性のミズキも一緒に励ましてくれ、無事3人で登頂。
風は強かったが、かえって気持ちよかった。
ジョーンとミズキの喜んだ顔が微笑ましかった。内心、彼女が喜んでくれてホッとした。「登らなけらば良かった」なんて言われたらもう申し訳なさすぎる。
とにかく、登れたことが本当に嬉しかった。見渡す限りの絶景、強目の風が涼しく気持ちよかった。一人で来ていたらこの場で1時間でも風景を眺めていただろうと思う。
ただ、一人だったら淡々と登ってしまって、登った喜びはそれほど大きくなかったかもしれないとも感じていた。だから、なおさら誰かと一緒に登れて本当に良かった。旅先で知り合った人とこういうことができるのは、旅行が好きになった大きな理由だ。
ただ、一人だったら淡々と登ってしまって、登った喜びはそれほど大きくなかったかもしれないとも感じていた。だから、なおさら誰かと一緒に登れて本当に良かった。旅先で知り合った人とこういうことができるのは、旅行が好きになった大きな理由だ。
一人で登ったとしても頂からの景色は格別だったと思うけれど、友人と一緒だったので(ジョーンには昨日出会ったばかりだけど。ミズキにいたっては20分ほど前に会ったばかりだ)喜びは何倍にもなった。一緒にいる人の喜びが大きければ大きいほど自分も嬉しくなる。そんなことを、改めて感じた日だった。
9時半にはもうウルル/エアーズロックから降りてきて、しまってのんびりしてたら、ジョーンが近寄ってきて「hot Lamington(レミントン)があったよ。食べたことある?」と言った。僕も「Lamington(レミントン)」が大好きだったので「オーストラリアで大好きになったケーキの一つだよ」と答えた。しかもホットというからには作りたてかな、と思い買いに走り、3人で食べた。作りたてかどうかはわからなかったが、やっぱり美味しかった。
僕はすっかり「Lamington(レミントン)」がオーストラリアのケーキだと思い込んでいたが、ジョーンはイギリスのケーキだよと言っていた。今でも本当のところは定かではないが、きっとそうなんだろうなと思う。
「Lamington(レミントン)」はスポンジをさっと溶けたチョコレートに浸し、ココナッツをまぶした素朴なケーキだ。長いこと食べていなくて、忘れかけていたが、数年前イングリッシュ・スクールのバザーで発見。思わず買ってしまった。妻も子供もあまり食べなかったので、4人分くらいのずっしりしたケーキをほぼ一人で食べてしまった。満足、満足。
ちょっと、残念なのは記憶の中の「Lamington(レミントン)」の美味しさが時を経て、とんでもなく美味しいものになっていたため、案外普通のケーキに感じてしまったこと。それでも美味しかったことは間違いないけど。
僕はすっかり「Lamington(レミントン)」がオーストラリアのケーキだと思い込んでいたが、ジョーンはイギリスのケーキだよと言っていた。今でも本当のところは定かではないが、きっとそうなんだろうなと思う。
「Lamington(レミントン)」はスポンジをさっと溶けたチョコレートに浸し、ココナッツをまぶした素朴なケーキだ。長いこと食べていなくて、忘れかけていたが、数年前イングリッシュ・スクールのバザーで発見。思わず買ってしまった。妻も子供もあまり食べなかったので、4人分くらいのずっしりしたケーキをほぼ一人で食べてしまった。満足、満足。
ちょっと、残念なのは記憶の中の「Lamington(レミントン)」の美味しさが時を経て、とんでもなく美味しいものになっていたため、案外普通のケーキに感じてしまったこと。それでも美味しかったことは間違いないけど。
ウルル(Uluru)/エアーズロック(Ayers Rock)の周辺を観光してロッジに帰って、少しのんびりしたらジョーンが次の目的地へ向け出発。見送りのためバスターミナルまで行く。ジョーンはウルル(Uluru)に登頂に時と同じ満面の笑顔で去っていった。
良い笑顔だなと思った。